『たてがみを捨てたライオンたち』
普段、小説はあまり読まないのですが、妻からのススメで久しぶりに面白い本を読みました。
白岩玄さんの『たてがみを捨てたライオンたち』という本です。
3人の男達の物語を通して、男性の苦悩が描かれています。
面白かったポイントは以下の通り。
・どの男性の人生とも重なる可能性があったと感じる
この3人、それぞれ全く違う人生を歩んでいて私自身とも異なっていますが、どこかのタイミングの何かのきっかけで、3人の内の誰にでもなり得たなと思わせてくれます。その分、主人公達の苦悩に自分をより深く重ねることができます。
・男性の苦悩が言語化されていてスッキリする
普段、自分のプライベートな悩みなどを人に言うことはほとんどしません。人に話さないが故に、自分自身でもボヤっとした感情を持っているだけで、何と説明したら良いのかわかりません。そこが主人公達の思いや登場する女性からの指摘によって、クリアになっていきます。読んでいて、思わず「なるほど!」と言ってしまうくらいスッキリします。
・読みやすい小説という形をとっていることで、自分自身や家族、社会のことをより考えやすくなる
現代の日本社会の問題はこれです、と言われても身近に感じづらいですが、登場人物への感情移入から入ることで問題を非常に身近に捉えることができます。もし自分がこの立場だったらどうするか?家族や社会に対して何を願うのか?一人でも夫婦でも考えて、会話をすることが大切だと思います。
あっという間に読みきりました。
夫婦で読むと良いと思います。